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テーマ

膨化食品の特性に与えるペクチンの影響について

発表者

杉野茜音 岡田雄治 黒川将

研究概要

ジャムの適度なとろみ、くちどけ、塗りやすさ、離水(水分の分離)はペクチンという植物由来の多糖類(長い鎖状の分子)によって調節されています。ペクチンはジャム以外にも、ヨーグルト、スムージー、飲料などさまざまな食品に利用されています。ペクチンに関する研究の多くはこれらの水を多く含んだ食品に関するものでした。

今回、私たちはケーキやパンなどの製菓材料にペクチンを加えるとどうなるかといった視点で研究を行いました。特に家庭でも馴染みが多く、材料もシンプルなホットケーキの生地を模した牛乳、卵、薄力粉、ベーキングパウダの混合物にペクチンを加えて「膨化率(膨らみの度合い)」と「弾性率(かたさ)」を調べました。その結果、ペクチンを加えて焼成を行うと膨化率が上昇、つまり生地が膨らみやすくなることが確認されました。また加熱中の弾性率は低下し、軟らかくなることが分かりました。これらの効果はどのような仕組みによってもたらされるのかについても考察をしました。

ホットケーキなどの生地が膨張するタイプの食品はベーキングパウダが分解するときのガスの膨張圧によって膨らむことができます。ある程度膨張したところで小麦粉に含まれるグルテンというタンパクや卵のタンパクが固まることによって生地の焼成が終了します。ペクチンはこのときグルテンや卵の固まり方を穏やかにすることで膨化を促進している可能性を考えました。

ペクチン転化による膨化率増大イメージ図

ペクチン転化による膨化率増大イメージ図

研究の展望

家庭での調理やお菓子作りにジャム、ひいてはフルーツ加工品がお役に立てる場面はないか科学的な視点でも深耕を行っていきたいと思います。

今回はモデルを使い原理面の追及をしましたが、実際のジャムを使ったレシピや調理方法も充実させていきたいと思います。

学会発表・論文リスト

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