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加工用イチゴ品種「夢つづき」及び「夢つづき2号」の品種特性

発表者

若狭直樹・中井遼介・坂下禎宏・松本粋・船倉英一郎

研究概要

イチゴはジャムをはじめ、フルーツソース、フリーズドライなど加工食品においても様々な形で利用されています。加工用のイチゴは露地栽培が主流のため、収量が天候に左右されやすいことが課題でした。しかし国内では生食用イチゴの品種改良は盛んである一方、加工に特化したイチゴの品種開発はほとんど行われていませんでした。そこでアヲハタは農研機構 九州沖縄農業研究センターと共同で、加工に適し露地環境でも栽培が容易なイチゴの新品種開発に取り組み、加工用品種「夢つづき」(2018年登録、登録番号第26985号)、「夢つづき2号」(2020年出願、出願番号第34785号)を開発しました。

夢つづき

夢つづき

夢つづき2号

夢つづき2号

「夢つづき」はジャム等の加工に適しており、「多収で病気に強い」「収穫作業の省力化が可能」等の特性を有しています。また「夢つづき2号」は安定して開花する性質を持ち、収量が多く、加工適性も高いという特徴があります。そこで、広島県三次市にある試験栽培施設「アヲハタ果実研究所」にて両品種をガラスハウス内ながら暖房を焚かない露地に似た条件で栽培し、その収量や品種特性を比較調査しました。

生食用(一例) 夢つづき 夢つづき2号

2021年の結果では、各品種で最も収量が多い条件同士での比較において、「夢つづき」「夢つづき2号」は従来の品種の2.3~2.4倍の収量になりました。一般露地品種の収量は1シーズン400g程度のなか、春の2カ月の収穫のみで株あたり1kg程度の収量を期待できることがわかりました。また、果実1つあたりの平均重量は従来の品種と比べ、「夢つづき」は1.7倍、「夢つづき2号」は1.6倍となりました。
本研究により「夢つづき」「夢つづき2号」は、従来の品種より多く収穫できること、大きな果実をつけることを示しました。

グラフ

研究の展望

引き続き「夢つづき」「夢つづき2号」の最適な栽培条件・加工方法を追求し、イチゴの加工品をより手軽においしく召し上がっていただけるよう、加工用イチゴとしての両品種の普及・活用を目指して行きます。

学会発表・論文リスト

アヲハタの学会発表と論文を紹介します。

2022年
2021年
2020年
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2014年