「地中冷熱を利用したハイブリッド型冷却システム」が農林水産大臣賞を受賞しました。

2009.03.17

アヲハタ株式会社(社長:福山 二郎 本社:広島県竹原市)の「地中冷熱を利用したハイブリッド型冷却システム」が、食品産業で温室効果ガス削減に努力している企業を表彰する「食品産業CO2削減大賞」(株式会社日本総合研究所主催、農林水産省補助事業)において、特に優れた事例に贈られる「農林水産大臣賞」を受賞することになりました。

表彰式は、3 月19 日(木)に経団連会館(東京都千代田区)において開催される「食品産業CO2削減促進対策事業シンポジウム」の会場にて行われます。

ジャムの製造工程では、濃縮、殺菌、充填工程の後、まだ温かいジャムを冷水シャワーで冷やす冷却工程があります。特にフルーツのフレッシュな風味が特長の低糖度ジャム「アヲハタ55 ジャム」の製造工程においては、加熱による風味への影響を最小限に抑える重要な工程となっています。この冷却工程で使用する循環水は温度が高くなるため、再度冷却して使用しています。

今回受賞の対象となった冷却システムは、ジャムの製造工程で使用する循環水を、通常使用される冷却設備に加え、地下100mまで掘り下げたパイプ(地中冷熱冷却配管)中を循環させ、地中冷熱を利用して冷却するシステムです(下図参照)。このシステムの活用で、循環水の冷却に使用するエネルギーが約85%削減でき、1年間あたり約35トンのCO2削減につながりました。

当社ジャム工場では、循環水冷却能力の補強のため、2005 年7 月に地中冷熱を利用した冷却システムを国内で初めて導入しました※。このシステムは地下100mの地中温度が年間を通じて一定であることを利用したものです。工場敷地内に地下100mまでのパイプを37本設置し、温まった循環水を通過させることで、熱を地中に逃し、循環水を一定温度に冷却することができます。

既存の冷却塔(クーリングタワー)と氷蓄熱冷却装置にこの地中冷熱を利用した冷却システムを加え、3段階で冷却するハイブリッド型のシステムとすることで、標準的な冷却装置のみを使用した場合と比べて使用エネルギー、CO2排出量を大幅に削減することができました。

※2005 年7 月1 日発表のニュースリリースをご参照ください。

http://www.aohata.co.jp/news/release/20050701_01.html

○「食品産業CO2削減大賞」について

農林水産省の補助事業として株式会社日本総合研究所が主催し、食品産業において温室効果ガス削減に努力している企業を表彰する賞です。温室効果ガス削減に対する意欲の増進と優良事例の食品産業内での普及を図ることを目的としており、今回101件の応募の中から特に優れた事例として農林水産大臣賞2件、農林水産省総合食料局長賞4件、優良賞16 件が表彰される予定です。