2005.07.01
アヲハタ株式会社(社長:多智花 宏治 本社:広島県竹原市)は、主力商品である「アヲハタ・ジャム」を生産するジャム工場(広島県竹原市)にて、「地中冷熱」を利用した冷却システムを導入し、7月より運用を開始します。
今まで地中熱は、一般家庭や商業施設の冷暖房の他、温水プールや道路の融雪など、主に熱源の一部として活用されていますが、直接水を冷却する設備として地中冷熱を利用するのは、国内でも初めてのことです。
ジャムの製造工程では、濃縮、殺菌、充填工程の後、まだ温かいジャムを冷水シャワーで冷やす冷却工程があります。特にフルーツのフレッシュな風味が特長の低糖度ジャム「アヲハタ55ジャム」の製造工程では、熱によるダメージを最小限に抑えるための重要な工程です。
また、今年2月新製法を導入し、「アヲハタ55ジャム」を、よりフルーツ感あふれる仕立てになるよう大幅なリニューアルをおこないました。この新製法は、ジャムの濃縮工程で、水分と一緒に蒸発していたフルーツの自然な香り(気体)を凝縮させ、液体化してジャムの中に戻す製法で、凝縮のためにも冷却工程が必要です。
このたび、冷却能力の補強のため、地中冷熱を利用した冷却システムを導入しました。
(参照:下記〈システム概要図〉)
地表より100m下の地中温度は、年間を通じて一定です。今回の冷却システムでは、工場敷地内に地下100mまでのパイプを37本掘り、その中に水を循環させることによって水の熱を地中に逃し、冷却水が一定温度になるという仕組みです。
既存の冷却塔(クーリングタワー)と氷蓄熱冷凍機に今回の地中冷熱・冷却システムを加え、3段階で冷却し、所定の温度の冷却水を供給するシステムです。
従来より夜間電力を使う氷蓄熱冷凍機を導入するなど、地球環境に配慮した生産活動をおこなってまいりましたが、このたび導入した地中冷熱を利用した冷却システムは、標準的な冷却装置を使用した場合と比べ、二酸化炭素の排出量・電力使用量とも約4分の1と少なく、より地球環境に優しいシステムです。
今後とも、二酸化炭素の排出量削減に努めるとともに、地球環境保全のための活動を継続、推進してまいります。
以上
【アヲハタ(株)ジャム工場の概要】
住所 | 広島県竹原市忠海中町一丁目2番43号 |
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生産品目 | 各種ジャム類 |
敷地面積 | 18,651平方メートル |
延床面積 | 9,957平方メートル |
生産数量 | 年間約17,000トン |
従業員 | 約240名 |
【冷却システムの概要】
冷却能力 | 260kw |
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施工 | ミサワ環境技術株式会社 (社長:洲澤 昭已 本社:広島県三次市) |